これが”憂き世”というものか?

憂き世の暗い雲
憂き世の暗い雲

 結局、真っ当なものだけが適切に死ねるのか?つまり、言いたいのは、今の世の中見ていると、とても真っ当とは思えないものばかりが氾濫しているでは無いか。つまり死に損なった者共が公害を撒き散らしてる、とも言える。放射能がれきからの歓迎されざる放射線だけでも辟易しているというのに。

 

 訳知り顔で「人間の命は地球より重い」とほざいた過去のネズミ面宰相の面(つら)が目に浮かぶ。こういった類いのいかさま発言が最も困りものだ。

 

 ”人間長生きすりゃあいいってもんじゃないし”ましてや、人間の長生きだけが正当化される理由なんざァ、どこ探したってありゃあしねぇんだよ。人類の欲望丸出しの発展は、それ以外の生き物からすりゃぁ迷惑千万てぇもんだよ。ま、己の分を知れ!ってとこかな。

 

 適切に生き、適切に逝く。これこそ理想であって、それ以外の生き方なんざぁ、糞くらえってなもんよ。俺っちには、そんな上手いこと出来るかな?出来りゃぁカッコいいんだけどな。

 

 NHKのBS放送「ワールド・トゥナイト」という夜10時からの番組を概ね見ているのだが、昨夜はキャスターが冒頭で「ロンドン・オリンピックで、この番組は2週間のお休みを頂きましたが、その間、世界は休むこと無くめまぐるしく変動しておりました。なぜオリンピック放送のため、この番組が休止するのか、と言う厳しいご意見も頂きました」なぞと寝惚けた言い訳を述べていたが、第一にそんな当たり前のことをわざわざ言い訳すること自体が全く理解できない。

 

 この公共放送と称する放送機関は個人から視聴料を徴収して(仕組み上あり得ないとは思うが)厳正中立な報道を行うことを掲げているのでは無いか?だったら、スポーツやイベントで都合の悪い事態から目を逸らそうとするだけの世界の国家権力になぜ迎合一辺倒なのか?積極的に疑問を呈してゆくことこそがジャーナリズムの使命では無いのか?

 

 尤も今や組織に属するジャーナリストは単なる出世争いにうつつを抜かすサラリーマンに過ぎず、一匹狼で孤軍奮闘している無名のハングリー侍の中にしか真のジャーナリズムは存在しなくなっているのであろう。

 

 毎週金曜日の夜には総理大臣官邸の周りで「脱原発」をアピールする、無視し得ない数の市民のデモが繰り返され、シリアでは女や子供を含む市民たちが何千人も何万にも殺され続けているというのに、どこの国がメダルを何個獲得したとか、島の領有権を主張するアスリートのメダルを取り上げ、懲罰するか否か?なぞにしか関心が向かないとすれば、余りにも次元が低すぎる、と言わざるを得ない。

 

 つまり、真っ当なものは長生きすることは出来ず、どうでもいいようなものだけが氾濫し、続いてゆく。これが”憂き世”というものか?